3. 最後の連続

1/17 水曜日。1限の期末テストが終わり、ひとり食堂にいる。いつも2限は静かでほとんど人もいないのに、今日は課題とテスト勉強に追われる学生で賑やかである。

 

朝のテレビは震災の報道で持ちきりだった。6時半過ぎに観たのもあってか、現場の中継の様子はなく、避難とか防災グッズの特集ばかりだった。前を向いて将来に生きていこう、とのメッセージにもどこか感じた。こんな朝早くに大地震が起こり、多くの人生が変わってしまったなんて未だに信じられない、生まれる10ヶ月前の状況に想いを馳せた。

 

昨夜のテスト勉強は捗らず、レポート点でなんとかなるだろうと、最後まで気を抜いていた。結果、可で単位はもらえる程度にはできた。そんなことで、ぼーっとしながら、いつもの以文館食堂に来た。

 

コスパが良いという理由だけで毎回頼んでいた麺定食だが、会計時、そういえば、もうこの食堂に足を運ぶことはないとふと気付いた。「次は社会人として、いつか来させてもらいます」調理のおばちゃんとそんな会話を交わした。

顔も名前もそこまで覚えていない関係だけど、こんな大したことない会話でも胸に来るものがあった。何気ない普段のひとコマも、こんな時期には身に染みて重い気持ちになる。

 

そういえば、さっきのテスト後に喋った友達も最後だったのかもしれない。互いに疎遠になり、自分の道を歩んでいく。