1. 正月

また一つ年が明けた。

あと3ヶ月で学生生活は終わり、新社会人になる。

せっせと学び、働いて、じきに来年が来る。そして平成が終わり、あっという間に東京オリンピック

社会に出たらそんなことをいちいち考える間もなく、時は過ぎていくんだろう。


小さい頃、元旦の楽しみだった年賀状も今年は疎い。

同時にLINEの普及を改めて実感した気もするし、色んな人と年々疎遠になっていく切なさも感じる。

これまで毎年送ってくれてた小6の担任からも、今年とうとう来なくなった。確か去年で定年退職だったし、最後に担任を持った俺らの代も、今や進路や生活は人それぞれバラバラだし、ちょうど節目だと思って送り続けるのもやめたんかな。

前に担任を見かけたのは成人式の時。教員はみな運営の裏方で忙しそうしていて、声を掛けるチャンスはなかった。もし会っていたら、自分の近況とか当時の思い出とか、何を話してただろう。

成人式で数年ぶりに会ったクラスメイトは、顔付きや喋り方はそんなに変わらなくても、性格や雰囲気が当時とだいぶ違う奴もいた。

働いて数年経つのもいれば、もうすぐ結婚するのもいる。よく生徒指導室に呼ばれてたような奴も、仕事や家庭に責任感を持って毎日を暮らしている。同じ歳なのに俺なんかより数百倍大人に、かっこよく見えた。

それまで同じように生きていても、環境が変われば、人は知らず知らず変化するものなんだと強く感じた。


年末、忘年会で多くの人と語り合った。中には、学歴や企業名で人を決めつける空気もあった。特にこの時期、道が分かれる直前や再び集まった時には仕方ない流れかもしれない。ただ、それぞれの生い立ちや歩みや環境や考え方や夢をなに一つ知らないのに、単に肩書きで物事を判断したくないと自分に言い聞かせた。